ミャゴラトーリは「広くオペラの魅力を伝えたい」「子どもに本物のオペラを聴
かせたい」という願いから生まれました。
オペラは約400年もの間、世界中の人に愛され受け継がれてきた貴重な伝統芸能で
す。シェイクスピアやユーゴーなど世界的文豪の作品が原作であることが多いオ
ペラは、「人はいかに生きるべきか?」という強いメッセージを大人にも子ども
にもダイレクトに伝えます。
しかもオペラ歌手は、その肉体の限界に挑みながらマイク等の機材を一切使わずに
生の声で歌い演じます。その迫力はオペラの持つメッセージ性と相まって、老若男
女を問わず多くの人々の心に大きな感動を与えます。
「生きづらさ」を抱える人々が増えている昨今、人間的なドラマと音楽が一つにな
ったオペラに親しみ心を潤すひと時を持つことは、多くの人々にとって大切である
と信じます。特に児童教育については、世界的指揮者小澤征爾氏も「日本の子ども
はオペラなんて聞いたことがなかった。ウィーンの音楽家は子どものころからオペ
ラで育っている。差がうんとある。自分の例もあるから若いうちに(日本で)オペラ
を教えようと思った」と語り(2013・3・2付、日本経済新聞)子どものオペラ体験
の重要性を説いています。
的には「難しそう」というイメージと相まって、「チケットが高い」「子連れで
はとても行けない」などのイメージを持たれています。上演に多くの人材を要す
るオペラはそれなりの制作費を必要とし、その制作費を確保するために現在の日本
で広く使われている方法が、
@高額なチケット料金の設定、
A出演歌手に対するチケット消化の義務付け(ノルマ制)です。
て参りました。なぜならこの方法では、高額なチケット料金は放置されたままなの
で「子どもと一緒に気軽に楽しむ」などという公演の機会を作ることは困難であり
また、ノルマを背負わねばならない歌手は出演の機会が限られてしまい、オペラ公
演にとって必要不可欠な「若く優秀な歌手の育成」にも支障が生じます。
歌手たちは、日々葛藤の中で、自分の声に満足することなく精進を続けています。
その努力と自分への厳しさを持ち続けることが、良い歌い手への条件であります。
歌手たちは寸秒を惜しんで練習に励んでおり、そのことが又それぞれの公演を商業
的に成功させる礎となります。その点からも、歌手たちにチケット販売のほとんど
を委ねることは、決してオペラ界の発展につながるものではありません。
優れた歌手を育て、彼らの生み出す素晴らしいオペラを出来るだけ安価にお客様に
届ける・・・これこそが制作者の仕事と言わねばなりません。
小さな規模でも、真っ直ぐにお客様と向き合ったオペラを創ります。
予算は少なくても創意工夫に満ちた舞台創りに励みます。
お客様が心から楽しんでくれて、誰かに薦めたいと思ってくれるような
舞台をお届けします。
どうか私たちの趣旨をご理解頂き、ご賛同頂ければ、大変嬉しく、心強く思います。
NPO法人オペラ普及団体ミャゴラトーリ
理事長 首藤 史織
〜首藤史織プロフィール〜
例え予算が少なくとも心を込めて真摯にオペラを創ることを信念として2019年までに12本のオペラ(内6本は岩田達宗演出作品)を主催・制作。2014年上演の「ラ・ボエーム」はモストリー・クラッシック誌において年間ベスト公演第2位に選ばれた。舞台芸術はお客様に認められてこそ価値があるとの考えのもと、基本予算はチケット収入と観に来て下さった方からの支援金のみとし、だからこそ何物にもとらわれない自由で質の高い作品創りが出来ると信じ活動を続けている。
※ご支援方法についての詳細は「ご支援のお願い」ページに記載しております。